甘い一週間

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【1日目:文香と買い出し】 俺は、昨日、一昨日と、近年稀にみる怒涛の二日間を過ごした。 俺が思うに、人生のターニングポイントだったかもしれない。 一つでも歯車が違えば、今、この俺の腕の中にいる掛け替えのない存在は、俺の前からいなくなっていたかもしれない。 「…ん……」 俺の腕の中にいるのは、まだ寝ぼけ眼の可愛い可愛い文香。 目をこしこしと摩り、重たそうに瞼を開けた。 フフッ…やっぱりうさぎみたい 「起きた?」 「…はい……起きま…した…」 起きぬけで、声が掠れている。 「体調は大丈夫?」 「はい…っていうか、寝過ぎて身体が痛いかも…?」 「今日は動けそう?」 「敢えて体を動かしたいくらいですよ?」 「そ。じゃ、出掛けようか?」 「え?いいんですか?お出かけして」 「これから一週間の必要な物の買い出しに行こう」 「…やっぱり、ホントに一週間、引きこもりなんですね…ハハハ」 苦笑いする文香。 ・
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