甘い一週間

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「将さん。お昼寝が長すぎです! 出掛ける準備しましょ?」 俺の胸からピョコンと顔を出して、上目遣いで話し掛けてきた文香。 はぁー… なーんで、こうも可愛いかなぁ まだ抱きしめてたいけど、これから一週間ずっと一緒だから、ちょっとは我慢するか。 「ん…準備しよ」 「はい!」 手を解くと、するりと俺からすり抜けて、文香はパタパタとリビングへと向かった。 「こちとら名残惜しいさ満載なのに、さっさと行っちゃって…フフッ」 文香が用意する姿を見ながら、体調が大丈夫かをそれとなく伺う。 二日間の間に何度も倒れたから、今日も皆が帰った後に休ませていたのだ。 あんな小さな身体に、たくさんの苦しみを抱えている文香。 文香が倒れて寝込んでいる間に、高峰先生から聞いた彼女の過去は、辛い思いをしたものばかりだった。 だから、これからは、俺が文香を絶対に守ってみせる。 だって、俺は彼女無しでは生きていけないんだから。 ・
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