甘い一週間

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「文香が肌身離さずに持っとくものなんだから、プレゼントさせてよ」 「うッ…そんなこと言われると… あ!これ!これにします!!」 文香が指差しのは… 『新規契約0円』 「………」 俺は無言で苦笑いの文香を睨む。 「…だって、あの…その…」 「はぁー…わかったよ。 じゃ、俺もそれにする」 多分、お人よしの文香に、これ以上甘えろと言っても無理だろう。 「え?いいんですか? 将さんはあたしを気にせず、スマホとか…」 「文香のほうこそ、そういうのがいいんじゃないの?」 「あたし、最新式のものは疎くて…メールと電話さえ出来れば…」 「俺も……クスッ」 俺は文香の頭をわしわしと撫でた。すると、文香はホッとしたようにはにかんだ。 これからも、文香におねだりさせるのは難しいんだろうなぁ… 小さい頃から親に甘えることを許されなかった文香は、すごく甘え下手だ。 俺だけには、遠慮なく甘えて欲しいんだけど……ま、それも徐々に訓練することにしよう。 俺だけにゴロゴロ甘える文香か ……うん、悪くない。 「将さん? 何か変なこと考えてません?」 たまに鋭いよね、文香。 ・
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