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【3日目:文香とDVD】
「将さん、DVDどれ見ます?」
ソファーに座る俺の前で、文香はテーブルに並べた9本のレンタルしたDVDを見つめている。
今日は昼食を済ませて、DVDを見ることになった。
「文香の好きな奴でいいよ」
「うーん。うーん…じゃ、これで」
文香がチョイスしたのは、俺が選んだ恋愛物。
「あたし、これ見たことないから」
「そっか。じゃ、見よっか」
たぶん号泣するだろうけどね
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映画終了…画面はエンドロール。
「エグッ…ヒグッ…ズズ…グスッ…」
案の定、大号泣の文香。
「ほら、ティッシュ」
「グスッ…ずびばぜん…」
「フフッ…そんなに泣かなくても」
この映画のストーリーを要約すると、有名女優と本屋の一般人という身分差がある二人の恋愛映画。
「だっで、だっで…がんどーじで」
「濁音ばかりで、日本語に聞こえないから…アハハ」
「よがっだ…ハッピーエンドで」
俺はもちろん結末がハッピーエンドだと知っていて、選んだのだ。
文香が、少しでも幸せな気分に浸れるように…
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