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「………ください」
「ん?何?聞こえないよ?」
文香が、小さな声で何か囁いたが、俺の胸の中に顔を埋めているので、声が篭って聞き取れない。
俺は彼女の頬に手を添え、顔を上げさせると、彼女は、頬を赤く染め、潤む瞳で俺を見上た。
「将さん…ずっと、あたしの…傍にいて…ください…ね?」
そう言って、ギュッと俺にしがみついた。
あー!やられた!
何、この犯罪級の可愛さは!!
俺も強く文香を抱きしめる。
「文香に嫌がられても、傍にいるよ。前から言ってるでしょ?」
「フフッ…嫌がることなんてあるのかな?」
彼女は照れながらも、嬉しそうに屈託なく笑う。
可愛い…
可愛すぎる…
超可愛すぎる!!
「…文香」
「はい?」
「困るんだよなぁ…」
「へ?何が?」
「食後のおやつ食べてないし」
「おやつ?」
「甘い香りに誘われて、甘いものが欲しくなっちゃた」
「え?じゃあ、何か食べます?
あたし、お菓子を持っ…」
俺は、立ち上がろうとする彼女の肩を軽くトンと押した。彼女はポスッとソファーの背もたれにもたれかかる。
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