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パンッ!
「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」
物音に驚いて、文香は俺に飛び付いて、悲鳴をあげた。
「何の音だろうね?
多分、壁が気圧で軋んだ音だと思うけど」
「もう…やだぁ……」
なーんて。
実は、俯いている文香に気付かれないように、俺がポケットにあった輪ゴムを弾いて、壁に当てたんだけどね。
「文香、この調子だと一人になるの無理じゃない?」
「……」
半泣き状態の文香は、コクンと無言で頷いた。
俺はニヤけそうになるのを我慢する。
よし!もう一押し。
「どうする?文香。
俺も風呂入りたいけど、文香を一人に出来ないし…
入らないって手もあるけど…」
俺は文香をチラ見しながら、考えるフリをする。
ごめんね、文香。
俺って、知っての通り、腹黒いから…クスッ
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