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「さぁ、どうする?」
「どうするって…」
「俺にキスするか、写メを諦めるか」
「そ、それは……」
二人、ソファーの上で攻防戦。
俺は、ソファーの端っこにしがみついている文香に、じりじりとにじり寄る。
「何、悩むことあるの?」
「は、恥ずかしいし!」
「二人きりで誰も見てないよ?」
「そ…ですけど…」
「ほーら!どうすんの?」
「わ、解りました!キスする!!」
頬を赤くして、意を決した文香。
フフッ…そうこなくっちゃね!
お人よしの文香は、相変わらず押しにとことん弱い。
知っているからこそ、俺はつい意地悪な要求をしてしまう。
だって、ドギマギして涙目のうさぎちゃんは、俺のツボだから。
堪らなく可愛くて可愛くて、俺の悪戯心に火をつける。
実は、文香と付き合うようになって、初めて自分がドSなんだと自覚した。
今まで知り合った女達には、こんなことは全くなかった。自分の感情は至って冷静で、何の起伏もなかった。
ホントに文香は、俺さえ知らなかった俺の感情を呼び起こす特別な子だ。
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