甘い香り【Ⅰ】

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「もう、あんたは~! こっそり、そんなことしなくていいのに。気が利くくせに、恥ずかしがり屋なんだから」 「だ、だって… 初めてなのに、変に気を回すと厚かましいかと思って…」 橋本が彼女との会話で、俺の疑問を解消する。 橋本の奴…わざと俺に聞こえるように言ったな …ちょっとムカつく 俺はとりあえず小林と会話して、気にしていない素振りをする。 ま、無駄なことだと思うけど。 それにしても… とんだお人よしだなぁ さっきの子供のことといい、今のおしぼりや取り皿といい…気になって、ほっとくことが出来なかったんだろう。 俺はもう一度、彼女をこっそり盗み見る。 どう見ても目の前にいるのは、恥ずかしがり屋の高校生だ。 通り過ぎた一瞬に感じた色っぽさが、錯覚のように感じてくる。 俺…ロリコンでも、女子高生フェチでもないんだけど…? ・
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