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「じゃ、じゃあ…行きますよ!」
「クスッ……はい、どーぞ」
胸の前で両手で握り潰しを作り、ゴクリと生唾を飲む文香。
彼氏にキスするだけなのに、どんだけ緊張してんだか…
俺は、顔が緩みそうになるのを我慢しながら、目を瞑る。
ギシッ…
緊張しながら、文香が近づいてくる気配を感じた瞬間
チュッ!
リップ音がしたと思ったら、すぐに文香の柔らかい唇の感触が俺の唇から消え去った。
唇に触れたのは、ほんの一瞬。
目を開けると、文香は赤い顔を手で覆い隠していた。
よっぽど恥ずかしかったんだろうけど…
俺はわざとふて腐れた顔をする。
「これだけ?」
「これだけって!?」
「…足んない。全然」
「……ちゃんとキスしたもん」
俺を上目遣いで睨み、プイッとそっぽを向いて、文香もふて腐れた。
だから、その仕草は俺を煽るだけ
「キスっていうのは、こういうの」
「ん!……ンアッ…」
俺は文香を引き寄せ、深いキスを被せる。
文香から甘い香りと甘い味。
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