甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

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「さっき、SMASH(スマッシュ)の内定の連絡が来ました!!」 「ホントに!?凄いじゃん!!」 SMASHは大手文具雑貨メーカーで、文香の第一志望、俺の一番オススメの企業だ。 「将さんのお陰です……グスッ…」 「俺は何もしてないよ。 頑張ったのは文香だよ。 おめでとう」 「…ありが…と…う…」 嬉し泣きをしている文香を抱きしめ、頭をくしゃくしゃに撫でる。 「あッ…ズズッ…せっかく、面接用に綺麗に纏めてたのに……フフッ」 鼻を啜りながら、俺にぐちゃぐちゃにされた髪の毛を手櫛で整える文香。 泣き笑いする彼女は、本当に嬉しそうだ。 第一志望の企業の内定をとるなんて…ましてや女の子だということを考慮したら、並大抵のことじゃない。 あがり症の文香がよく勝ち残れたものだ。やはり文香は、いざとなると強い。 それにしても、よかった… あの会社なら安心だ。 これで悩みの一つが解消された。 ・
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