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「モデルなんて、誰でも出来る仕事じゃないんだ。
将も橋本も、自分の容姿をマイナスに考えがちだけど、やっぱ整ってるほうが、世の中、得することが多いんだよ。
せっかくだから、それを利用しろよ。やりたいことも見つかってないならさ。
綺麗な奴ばかりの集まりだから、お前みたいな経験してる奴も多いんじゃないの?
だから、何か新しいことを見つけられるかもしれないし。
嫌になったら、辞めればいいじゃん。まだ若いんだし、何事も経験じゃね?」
珍しく智紀は真っ当なことを言い、珍しく橋本は憎まれ口も叩かず、素直に耳を傾けた。
そして、橋本は物は試しだとモデルの仕事を始めたのだ。
事務所に入った途端、ファッション雑誌の専属モデルに抜擢され、人気は上々らしい。
ちなみに、俺にもスカウトの御呼びがかかったが、もちろん文香以外から写真を撮られるのは真っ平御免なので、丁重にお断りした。
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