甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

11/29
前へ
/227ページ
次へ
「千夏も今日はサークル出るんでしょ?」 「うん。やっと、仕事が一段落したからさ!」 「忙しそうだねぇ」 「なんか、冬の特集記事で、今まで鬼のように撮影が入ってたからね」 「うわぁ!なんか、カッコイイ!」 文香が羨望の眼差しで、橋本を見ている。 「全然かっこよくなんかないよ! 嫌味言ってくる奴とかいるし… 結局、女の戦いの場だね」 「そっか…やっぱり大変そうだね 卒業しても続けるの?」 「とりあえず続けるつもり。 撮影自体は、たくさん服着れて楽しいからさ」 「千夏の就職先はモデルかぁ」 「そういうことになるね。 ……藤沢さんは?」 「俺は、K出版社に内定貰った。 目指せ!編集長ってとこか?」 「智紀が出版社って意外だったな」 「将だって、あのR=D(アールディ)だろ?お前がIT会社ってほうが意外」 「そうか?」 「だって、ネットとか、そんな興味ないじゃん」 「まーね。入社までに少しは勉強しとくさ」 俺達は、学校に来ないようになった分、それぞれで社会への旅立ちの準備をしていた。 ・
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19384人が本棚に入れています
本棚に追加