甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

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-------- ------ 「………というわけで、ご協力お願いしまーす!」 佐藤が嘘くさい愛想笑いを振り撒いて、学祭の出店の概要を話し終えた。 そして、目が点になり、口があんぐり開きっぱなしで茫然自失な人物が約一名。 予想通り……文香だ。 「ちょッ!文香!文香ってば! おーい!文香ー!!」 橋本が文香の肩をガクガクと揺するが、全く反応がない。 よっぽど、ショックだったんだな…ま、無理もないか。 なんてたって、今年のうちのサークルの出店名が… 『メロメロ神社、恋の生き神うさもも様&リアルももりん降臨祭』 名前からして、文香ありきが丸解り。企画内容もがっつり文香メインだ。 それもこれも、昨年から話題となっていた、うさもも様都市伝説が、一年たった今もなお、衰えなかったからだろう。 俺は、呼び出された時から、端からこんなことだろうと思っていたけど、文香は全くの予想外だったらしい。 ・
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