甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

15/29
前へ
/227ページ
次へ
「ふーみか!ふーみーかッ!」 俺は文香の目の前で手の平をヒラヒラし、指パッチンを数回すると、文香はハッとして、目をパチパチと瞬きした。 現実逃避から戻って来たな… そして、口をパクパクさせたかと思ったら 「やだ!やだやだ!絶対やだーッ!! 何でまた、あたしがももりんに!? それに、それに……うさもも様の恋のお告げって何!?」 佐藤が提案した内容をまくし立て、いきり立っている。 「まずは、昨年のリアルももりんの評判が根強く、『今年もやってほしい』とリクエストが多数寄せられ、 そして、相変わらず、三田さんにメロメロな崎村さんを至る所で目撃されているので、メロメロパワー都市伝説も、昨年から一向に衰えることなく… 今や都市伝説は、うさもも様に会えるだけで、恋愛運が向上するとまでになってます」 学祭担当の小林が、文香の疑問に沈着冷静に解答した。 そう… うさもも様都市伝説は、単なる噂のレベルを越えて、ここら辺一帯の女子高生の信仰のようになってきているのだ。 ・
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19384人が本棚に入れています
本棚に追加