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「あー…やっぱり、一筋縄ではいきませんね」
佐藤に代わり、小林がズイッと俺達四人の前に立つ。
「まずは、藤沢さんと橋本さん。
貴方達、今、落としそうな単位がそれぞれありますよね?
二人とも外国語で、藤沢さんはドイツ語、橋本さんは英語ですよね?」
「「何で知ってんの!?」」
智紀と橋本がシンクロする。
「ここに、それぞれの講義のノートの写しと、来月末までに出さないといけないレポートのほぼ完成形がありますが?
ついでに試験の予想問題集も…」
「「欲しい!!」」
またも二人の声が合う。
コイツら、単位、よっぽど余裕がないんだな…
必修の外国語を落としたら、下手すりゃ留年だしな。
「背に腹は変えられない…解ったよ…ハァー」
「あたしも撮影が立て込んで、出席足りなくて、ヤバイんだよね…
ハァー…仕方がない」
「嘘!?藤沢さん!千夏ーッ!」
焦る文香を横目に、智紀と橋本は溜息とともに、いともたやすく陥落した。
しかし、この手は俺と文香には効かない。ヤバイ単位なんかないからね。
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