甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

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「あー…やっぱり、一筋縄ではいきませんね」 佐藤に代わり、小林がズイッと俺達四人の前に立つ。 「まずは、藤沢さんと橋本さん。 貴方達、今、落としそうな単位がそれぞれありますよね? 二人とも外国語で、藤沢さんはドイツ語、橋本さんは英語ですよね?」 「「何で知ってんの!?」」 智紀と橋本がシンクロする。 「ここに、それぞれの講義のノートの写しと、来月末までに出さないといけないレポートのほぼ完成形がありますが? ついでに試験の予想問題集も…」 「「欲しい!!」」 またも二人の声が合う。 コイツら、単位、よっぽど余裕がないんだな… 必修の外国語を落としたら、下手すりゃ留年だしな。 「背に腹は変えられない…解ったよ…ハァー」 「あたしも撮影が立て込んで、出席足りなくて、ヤバイんだよね… ハァー…仕方がない」 「嘘!?藤沢さん!千夏ーッ!」 焦る文香を横目に、智紀と橋本は溜息とともに、いともたやすく陥落した。 しかし、この手は俺と文香には効かない。ヤバイ単位なんかないからね。 ・
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