甘い青春と旅立ち【Ⅰ】

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「おーい!そろそろ開店準備しなくていいのか~?」 「ちょっと、どうしたの?」 なんとも言えない微妙な空気の中、何も知らない俺と同期の田中と佐々木が、呑気な声で入ってきた。 「あ!麻子さーん!!」 シャッ! 「ちょッ!あ、バカ!」 「ふ、ふーちゃん!?」 「あ!」 メイド文香がカーテンから飛び出し、佐々木に向かったために… 「うおー!ニューももりーんッ!」 「た、田中さん!?」 ガコッ!………バタン! 「あぁ~…田中…死んでないか?」 床に倒れてピクピク震えている田中に、智紀が声をかけた。 熱烈なももりんオタクな田中が、文香の姿に興奮し、抱き着こうとしたから、咄嗟に俺が蹴りを入れて止めたのだ。 だから、言わんこっちゃない! やっぱり、この格好はヤバイ!! さっきまでメイド文香に顔を赤らめていた連中も、田中の惨状に、今度は顔が青ざめてきている。 「見ろ!佐藤! 絶対にこんな奴が出てくるぞ!」 俺は文香を抱きしめて、皆の視界から隠す。 ・
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