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そして、キスしようとした瞬間
ドンドンドンドン!
「すみませーん!出番でーす!」
ドアをしつこく叩き、出て来るのを催促する小林。
「「………」」
抱き合ったまま、無言でドアを睨む俺と文香。
「皆さん、お待ちですよー!
いちゃつくのは帰ってからにしてくださーい!」
ドンドンドンドン!
小林がまたもしつこくドアを叩く。
「解りました…ハアー…
すぐ行くから、もう少し待って!」
文香が催促にウンザリした様子で応える。
「チッ!…またかよ!」
どいつもこいつも、絶妙なタイミングで邪魔に来る。
特に小林は質が悪い。
昨日から、俺を寸止めさせて苦しむのを狙っているみたいなタイミングなのだ。
コイツ…わざとだな。
絶対、文香のこと好きで、邪魔してるよな…
態度に出さないようにしているみたいだが、俺には解る。
文香が困ったり照れたりしていると、小林の顔が一瞬緩むからだ。
コイツも絶対Sだよな…
つーか…
文香のこと好きな奴が、また一人増えたのか…ハァー…
俺は、文香の肩に頭をポテッと置き、大きな溜息をついた。
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