甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

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外からバタバタと小林が立ち去る音が聞こえた。 小林の奴、 誰かヘルプを呼びに行ったな 「将さん、また我が儘を~…」 「こうでもしなきゃ、ゆっくり出来ないでしょ?」 「でも…」 「だって、俺ら、今年が最後の学祭なんだよ? それなのに、着せ替え人形で働き詰めなんて、面白くないじゃん」 「確かに…まあ…そうですけど…」 「いくら予想を超える客数だからって、こんなにこき使うのはあんまりだよ。 ホントは外出て、二人で学祭回りたいけど、すぐに捕まるだろうしね。 だからせめて、ここで少しゆっくり休もうよ? 文香が一番疲れてるでしょ?」 俺は下から手を伸ばし、俺を見つめる文香の頭を、いつものように撫でた。 「フフフッ…将さん、ありがとう」 くすぐったそうに目をつぶり、頬をちょっと赤く染めて、優しく微笑む文香。 …むちゃ可愛い 俺のほうがこの笑顔に癒される。 昨日から忙しすぎて、文香が隣にいたのに、文香が不足している俺 うさもも様もメイドももりんも、あくまでも客のためのキャラであって、俺の文香じゃないし。 ・
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