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外からバタバタと小林が立ち去る音が聞こえた。
小林の奴、
誰かヘルプを呼びに行ったな
「将さん、また我が儘を~…」
「こうでもしなきゃ、ゆっくり出来ないでしょ?」
「でも…」
「だって、俺ら、今年が最後の学祭なんだよ?
それなのに、着せ替え人形で働き詰めなんて、面白くないじゃん」
「確かに…まあ…そうですけど…」
「いくら予想を超える客数だからって、こんなにこき使うのはあんまりだよ。
ホントは外出て、二人で学祭回りたいけど、すぐに捕まるだろうしね。
だからせめて、ここで少しゆっくり休もうよ?
文香が一番疲れてるでしょ?」
俺は下から手を伸ばし、俺を見つめる文香の頭を、いつものように撫でた。
「フフフッ…将さん、ありがとう」
くすぐったそうに目をつぶり、頬をちょっと赤く染めて、優しく微笑む文香。
…むちゃ可愛い
俺のほうがこの笑顔に癒される。
昨日から忙しすぎて、文香が隣にいたのに、文香が不足している俺
うさもも様もメイドももりんも、あくまでも客のためのキャラであって、俺の文香じゃないし。
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