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「何故かあたし達って、学祭で色々ありますよねぇ…フゥーー」
文香が天井を仰ぎながら、長く息を吐いた。
「ホントだなぁ…
去年といい、今年といい…」
昨年の学祭も、波乱に満ちた学祭だった。
俺達を引き裂こうと画策する奴がいたり、リアルももりんとメロメロ都市伝説が話題になったり、文香を襲おうとする奴がいたり、二人でミスコン1位になったり…
「「なんでかなぁ…ハアー…」」
二人でげんなりと溜息をつく。
「だいたい難攻不落のイケメンで、将さんが有名すぎるんですよ」
「え~?今は、うさもも文香のほうが有名じゃん」
「あたしは、将さんのおまけで有名になっちゃったんですよーだ」
文香が頬を膨らませる。
俺はその膨らんだ頬を指で押して、プスッと凹ませた。
「クスクスクス…」
凹まされた頬を手で触り、楽しそうに笑う文香。
こんな表情は、まだあどけなくて可愛い。
「ホントに……何でこんなに注目されるようになったんだろ?
文香は…
俺だけの文香でいいのになぁ…」
俺の心の声が、そのまま口から流れ出た。
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