甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

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「何故かあたし達って、学祭で色々ありますよねぇ…フゥーー」 文香が天井を仰ぎながら、長く息を吐いた。 「ホントだなぁ… 去年といい、今年といい…」 昨年の学祭も、波乱に満ちた学祭だった。 俺達を引き裂こうと画策する奴がいたり、リアルももりんとメロメロ都市伝説が話題になったり、文香を襲おうとする奴がいたり、二人でミスコン1位になったり… 「「なんでかなぁ…ハアー…」」 二人でげんなりと溜息をつく。 「だいたい難攻不落のイケメンで、将さんが有名すぎるんですよ」 「え~?今は、うさもも文香のほうが有名じゃん」 「あたしは、将さんのおまけで有名になっちゃったんですよーだ」 文香が頬を膨らませる。 俺はその膨らんだ頬を指で押して、プスッと凹ませた。 「クスクスクス…」 凹まされた頬を手で触り、楽しそうに笑う文香。 こんな表情は、まだあどけなくて可愛い。 「ホントに……何でこんなに注目されるようになったんだろ? 文香は… 俺だけの文香でいいのになぁ…」 俺の心の声が、そのまま口から流れ出た。 ・
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