19383人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「将さん…」
ひざ枕をしている俺の頭を、文香が子供をあやすように優しく撫でる。
「あたしは変わりませんよ?」
そう言って、柔らかい笑顔で俺を見つめる。
綺麗だなぁ…
最近、特にそう思う。
ふとした仕草に、大人の色香を漂わせて…
誰よりも早く、俺が文香の魅力に気づいたけれど……この頃、周りもその魅力に気づき始めている。
内から輝く文香の魅力を、もう隠し切れない。
だから、心配になる。
俺の手から、綺麗になった文香がふわりと飛び立っていきそうで…
俺は文香の存在を確かめるように、文香の頬に手を伸ばした。
すると、俺の手にほお擦りしながら、文香が手を重ねる。
「あたしは将さんのものでしょ?
あたしが嫌っていうくらい、傍にいてくれるんですよね?」
俺の気持ちを見透かしたように、文香が言葉を繋ぐ。悪戯っ子のような笑顔で…
この、小悪魔うさぎめ…
・
最初のコメントを投稿しよう!