甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

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「将さん…」 ひざ枕をしている俺の頭を、文香が子供をあやすように優しく撫でる。 「あたしは変わりませんよ?」 そう言って、柔らかい笑顔で俺を見つめる。 綺麗だなぁ… 最近、特にそう思う。 ふとした仕草に、大人の色香を漂わせて… 誰よりも早く、俺が文香の魅力に気づいたけれど……この頃、周りもその魅力に気づき始めている。 内から輝く文香の魅力を、もう隠し切れない。 だから、心配になる。 俺の手から、綺麗になった文香がふわりと飛び立っていきそうで… 俺は文香の存在を確かめるように、文香の頬に手を伸ばした。 すると、俺の手にほお擦りしながら、文香が手を重ねる。 「あたしは将さんのものでしょ? あたしが嫌っていうくらい、傍にいてくれるんですよね?」 俺の気持ちを見透かしたように、文香が言葉を繋ぐ。悪戯っ子のような笑顔で… この、小悪魔うさぎめ… ・
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