19383人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、意を決したのか、彼女は唇をキュッと噛み締めた。
「えっと、北南デザイン短大のプロダクトデザイン専攻の三田文香(ミタフミカ)です!
同じ専攻の橋本千夏さんに誘われて、今日から参加させて頂きました。どうぞよろしくお願いします」
彼女は早口で自己紹介をしてペコッとお辞儀をし、恥ずかしいのか、すぐに座った。
三田フミカ…かぁ
どんな漢字なのか彼女に尋ねると、『文香』だと教えてくれた。
ほんわかした彼女の雰囲気に、なんとなく合っている気がした。
その後も、俺は彼女と話していると、彼女のコロコロ変わる表情や仕草に、何故か強く惹かれる。
「かわいいなァ、文香は…」
心の中の呟きが、つい声に出た。
あ…やべ……
「あ、あの…さ、さ、ささ、崎村さん?」
俺より彼女のほうが焦っていて、俺はまた笑ってしまう。
・
最初のコメントを投稿しよう!