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「何で、こんなに人が集まってんだよ!?」
俺は智紀に向かって叫ぶ。
「小林が出店戻って来るなり、大声でお前らが篭城したっつって、大騒ぎしたんだよ」
「それを聞きつけた野次馬が集まったわけ」
…ッんのバカ!!
俺はまだドンドンと扉を叩く音がする小林のほうを睨んだ。
「ちょっと、待って…
じゃ、じゃあ…皆、いつから…
いつからそこにいたの!?」
「んーと…『あたしは将さんのものでしょ?』あたりから?」
「嘘!?そんな前から!?やだーーッ!!」
文香が眉間にシワ寄せながら問い掛けると、橋本が平然と応えた。
文香は、余りの恥ずかしいさから、マットの上で、真っ赤な顔を突っ伏した。
つまりは、さっき、橋本が止めに入るまで、皆で人のラブシーンを黙って覗いてたってことだ。
「どいつもこいつも趣味悪……」
人がいちゃつくとこ見て、何が面白いんだ?
俺は文香との時間を邪魔されるわ、覗かれているわで、更に機嫌が悪くなる。
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