甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

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「何で、こんなに人が集まってんだよ!?」 俺は智紀に向かって叫ぶ。 「小林が出店戻って来るなり、大声でお前らが篭城したっつって、大騒ぎしたんだよ」 「それを聞きつけた野次馬が集まったわけ」 …ッんのバカ!! 俺はまだドンドンと扉を叩く音がする小林のほうを睨んだ。 「ちょっと、待って… じゃ、じゃあ…皆、いつから… いつからそこにいたの!?」 「んーと…『あたしは将さんのものでしょ?』あたりから?」 「嘘!?そんな前から!?やだーーッ!!」 文香が眉間にシワ寄せながら問い掛けると、橋本が平然と応えた。 文香は、余りの恥ずかしいさから、マットの上で、真っ赤な顔を突っ伏した。 つまりは、さっき、橋本が止めに入るまで、皆で人のラブシーンを黙って覗いてたってことだ。 「どいつもこいつも趣味悪……」 人がいちゃつくとこ見て、何が面白いんだ? 俺は文香との時間を邪魔されるわ、覗かれているわで、更に機嫌が悪くなる。 ・
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