甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

15/26

19383人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「だいたい、お前らだけ休憩なんてズルイっつーの!」 「そーよ!そーよ! アタシ達だって、あんた達同様、ろくに休みも無く、働いてるんだからね!」 「だから、早く出て来い!」 バンバン窓を叩きながら、俺達に不満をぶつける智紀と橋本。 不満のぶつけ所、間違ってるだろ、それ。 「崎村さーん!これ以上、お客を待たせるの限界ですー!」 泣きそうな声で懇願する小林。 もともとお前が悪いっつーの。 「「出てこーい!」」 バンバンバン! 「出て来てくださーい!」 ドンドンドン! 「チッ!知るか!うるさい!」 俺達は立て篭もり犯かよ? こうなりゃ、意地でも絶対に出ていかない! ふて腐れた俺は、文香の隣のマットの上に、ドスンと不機嫌丸だしで座った。 すると、目をパチパチさせて俺を見る文香。 そして、智紀と橋本が張り付いている窓を見て、小林がドンドンと叩いている扉を見て、もう一度、俺を見て… 「プッ!……フフッ…あはははは!」 突然、大笑いし始めた。 何だ?どうしたんだ? ・
/227ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19383人が本棚に入れています
本棚に追加