19383人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「だいたい、お前らだけ休憩なんてズルイっつーの!」
「そーよ!そーよ!
アタシ達だって、あんた達同様、ろくに休みも無く、働いてるんだからね!」
「だから、早く出て来い!」
バンバン窓を叩きながら、俺達に不満をぶつける智紀と橋本。
不満のぶつけ所、間違ってるだろ、それ。
「崎村さーん!これ以上、お客を待たせるの限界ですー!」
泣きそうな声で懇願する小林。
もともとお前が悪いっつーの。
「「出てこーい!」」
バンバンバン!
「出て来てくださーい!」
ドンドンドン!
「チッ!知るか!うるさい!」
俺達は立て篭もり犯かよ?
こうなりゃ、意地でも絶対に出ていかない!
ふて腐れた俺は、文香の隣のマットの上に、ドスンと不機嫌丸だしで座った。
すると、目をパチパチさせて俺を見る文香。
そして、智紀と橋本が張り付いている窓を見て、小林がドンドンと叩いている扉を見て、もう一度、俺を見て…
「プッ!……フフッ…あはははは!」
突然、大笑いし始めた。
何だ?どうしたんだ?
・
最初のコメントを投稿しよう!