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「文香、どうしたの?」
「だって…クックッ…皆、必死だし……フフッ…将さんまでムキになっちゃって……アハハ!」
文香は腹を押さえて、笑い転げている。
確かに……
冷静に考えたら、バカなことやってるよな。
周りも俺達に振り回されて滑稽だし。
なんだ、これ。
「ククッ……アハハハハ!」
屈託なく笑う文香に吊られて、俺も笑い出す。
「「あはははは!!」」
二人で大笑い。
唐突に笑い始めた俺達に、呆気に取られるギャラリー。
俺達が見世物になっていたが、俺達から見れば、マヌケ面なコイツらのほうが見世物だ。
「将さん!戻りましょ?」
「え~?」
「だって、ここにいても、結局見られてるんだし、同じでしょ?」
「俺、まだ文香不足なんだけどな~」
「もう!駄々こねて~!
解りました!今日は将さんちにお泊りするから」
「やった!」
やれやれといった感じで、文香が苦笑いを浮かべる。
家に帰れば、文香を独り占め
俺はそのご褒美に胸踊る。
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