甘い青春と旅立ち【Ⅱ】

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「あたし…今もし、誰かに占って貰ったら…きっと、コスプレの難の相が出てると思う…」 げんなりした表情で、文香がボソボソとぼやいた。 「……俺も、かもね」 「「はぁーーッ…」」 ガックリ…と、漫画の擬音が見事にハマるような、俺と文香の肩の落ちよう。 文香がコスプレの難とぼやくのも仕方ない。 サークルの出店で、袴とえんび服(文香は巫女とメイド)のコスプレを何度もさせられというのに… 今は、俺はスパンコールだらけの王子衣装で、文香はレースひらひらのお姫様衣装なんだから ゴンドラに中世ヨーロッパ風衣装 バブル時代の結婚式か!! …という心の中でのツッコミが甚だ空しい…… 恥さらしという名の地獄に身を置き、今すぐに逃げ出したい思いでいっぱいだ。 俺の隣で俯いている文香も、きっと同じ気持ちだろう。 「…あぁ、お家に帰りたい」 「俺も…」 「「はぁーーッ…」」 またも二人同時に溜息をつく。 何で俺達って、こうも周りがほっといてくれないのか… 普通、こんなに邪魔が入るカップルっているか!? 俺はただ、文香と二人でゆっくり過ごしたいだけなんだ! ・
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