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「アーハッハッハ!
痛い!痛いわ~、その衣装!」
今年も第2位だった橋本が、ステージからゴンドラに乗る俺達を指差し、足を踏み鳴らして、下品に笑っている。
コイツはホントに、人気モデルなのか?
いくら黙っていれば美人でも、品が無なさすぎるだろ…
「うわー…、すげーな。その格好。一位も大変だよなぁ」
智紀は憐れみの目で俺達を見ている。因みに、今年は智紀も第2位だった。
チッ!
コイツら、他人事だと思いやがって…
俺はふて腐れながら、文香の手を取り、ゴンドラから降りた。
「……将さん、ごめんね。
あたしが、つい引き受けちゃったから…まさか、ゴンドラまで乗せられるなんて…」
シュンとして、すっかり意気消沈している文香
「文香は何にも悪くないよ…」
俺は文香の頭に手を伸ばすが、コスプレに合わせて髪を纏めているから、いつものように撫でることが出来ない。
代わりにポンポンと軽く叩くと、文香は泣きそうな顔で微笑んだ。
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