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退屈な卒業式の式典も終わり、中庭で智紀と一緒に、サークルのメンバーを待つ。
サークルで卒業記念の写真撮影をすることになっていたからだ。
しかし…
「あのぉ…崎村君、話がしたいんだけど…」
「ちょっとー!あたしが先よ!」
「ねぇ!一度でいいから、付き合って!」
俺と智紀は、女に囲まれ、身動きが取れなくなった。
ハァー…煩わしい…
いちいち受け答えするのも面倒くさいので、シカトする。
「さすが!難攻不落のイケメンはモテますなぁ」
「何言ってんだ。お前もさっきから、声かけられてるじゃん」
「俺のモテ状態なんて、お前と比べりゃ、たいしたことねーよ。
それにしても、橋本達、遅いな」
「…そーだな」
どうしたんだろ?
周りを囲む女達を完全無視して、二人で会話する。
短大メンバーもここに集合するはずだが、文香と橋本だけがまだ来ない。
すると
「あ、あの!あたし達、待ち合わせしてるので…」
「だーかーらー!しつこい!!」
目線の先に見える男達が群がっている中から、文香と橋本の声が聞こえる。
まさか…あの男達の中に…?
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