甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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「ある意味、さっきの男達も不憫だな…」 「そうねぇ…本人に気持ちが何一つ伝わってないものねぇ」 智紀と佐々木は、俺が蹴散らした男達に変な同情をしている。 ま、文香があいつらに対して、何ら関心を持っていないってことだから、いいんだけど。 だが、実は… 文香のこのとことん無自覚なところが、俺の最大の悩みだ。 文香はモテる そのことを本人が全く自覚していない。 文香は『自分は美人じゃないから、自分に言い寄る奴なんていない』と思い込んでいるので、誘われていることにさえ気付かない。 今までは、俺や橋本がすぐ傍にいるから、なんとかなっていた。 俺といると、なかなか近寄って来れないし、橋本がガードして、誘われてもあしらっていた。 しかし、社会人になると、そうはいかない。 文香が一人で下心ある奴を見極めて、対処するしかない。 俺としては、文香が腹黒い奴の口車に乗せられて付け込まれそうで、心配でならない。 ・
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