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それから、サークルの仲間達は、それぞれ思い思いに写真を撮り合っていた。
写真嫌いで有名な俺が、文香と一緒であればと、集合写真には応じたので、皆、心底ビックリしていた。
「やっぱり、ふーみんはすげーなぁ。さすが、うさもも様だな!ハハハ!」
と、長年、写真嫌いの俺を見てきた智紀は、文香の影響力を屈託なく笑い飛ばした。
そう…文香は凄い。
俺をどんどんと知らない俺へと変えていく。
マイナスをプラスへ。
彼女が傍にいるだけで、俺の世界は暖かい。
だから、絶対に俺は文香を手放せない。
「そろそろ解散して、夜、また集合しよーぜ?」
智紀が一旦解散を促した。
夜にはまた居酒屋に集まって、サークルで卒業打ち上げをやることになっているのだ。
「文香、部室に寄りたいから、ちょっとだけ付き合って?」
「いいですよ!」
俺の頼みに文香はにこやかに返事した。
そして、俺と文香は中庭で皆と別れた。
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