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「…あの時には、もう…
既に文香のことが好きで…
好きで好きで堪らなくて、どうしたらいいのか解らなかった…」
俺は、あの時、言葉にすることが出来なかった自分の気持ちを、正直に文香に伝えた。
ハッとして、文香が顔を上げる。
窓から日差しが入って来て、みるみる頬が赤く染まっていく文香を照らした。
「将さん…」
文香が恥ずかしそうに、俺の名を呼ぶ。
和装している文香はいつもとは一味違って、しなやかな雰囲気を身に纏い、とても綺麗だ。
俺は文香を引き寄せて、抱きしめる。
それに応えるように、文香は俺の背中に手を回し、ギュッと握りしめた。
あの時の強い感情は、今も変わらない。
文香を俺だけのものにしたい
文香は、既に自分は俺のものだと言ってくれるけれど、きっと、こんなに可愛い文香を、世の中の男がほって置く訳がない。
どうか、文香…
いつまでも俺だけのものでいて
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