19383人が本棚に入れています
本棚に追加
/227ページ
「将さん…ありがとう…
すっごく可愛い!ストラップも指輪もイルカでお揃いなんて!」
「文香がOLになっても、これつけとけば、彼氏持ちってのはわかるでしょ?」
「あ!…あの……えと…」
「ん?」
上目遣いで、もじもじと何か言いたげな文香。
何が聞きたいんだろ?
「将さんも……あの…働くようになっても、指輪…つけるの?」
「そだよ。彼女持ちってわかるでしょ?」
「エヘヘ…そっか!」
文香は、ホッとしたように、ふわりと笑顔を浮かべた。
なんだ…文香も同じってことか。
それなら、もっと怖くなるようなことを教えてあげる。
もっともっと、がんじがらめにしてあげる。
「これ、エンゲージリングの予約だからね?」
「えッ!?予約!?」
文香は、目をパチパチと瞬きさせ、驚いている。
「そーだよ。
ホントは、左手の薬指にエンゲージリングをあげたかったんだから」
「えぇッ!?」
今度は身体ごとのけ反る。
・
最初のコメントを投稿しよう!