甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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「クスッ…文香、オーバーだなぁ…」 ビックリして退いた文香を、俺はグイッと引き寄せて、腰に手を回し、俺の腕の中に戻す。 「将さん… …で、でも…あたし、まだ…」 「うん。わかってる。 結婚はもう少し先…でしょ? お義父さんに学費を返したいから」 「……将さん」 文香は、昨年の学祭で綾乃ちゃんや結希さんの気持ちを知り、家族との関係を断ち切る決断をした。 その後、文香は、実家で関係を絶つためにも、自立してやっていきたいと、義父と話し合ったが、義父が20歳までは親の義務だからと、頑なに取り合わなかったのだ。 「文香なりの決着っていうか… 恩返しだよね? 大丈夫…俺は文香を待ってるよ」 「……将さん、凄いな。 何でもわかってるんだもん」 「文香のことは…ね」 俺は、文香の純粋で芯の強い心に、誰よりも惹かれているから。 ・
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