甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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「でも、ただ待ってるだけじゃないよ。文香の会社でも手筈整えているし」 「へ?手筈って…?」 「もちろん、同じ会社に勤めることになった佐々木に文香のこと頼んでるし」 「あぁ!麻子さんが一緒の会社なんて、凄い偶然ですよね! あたしもとても心強いです」 ホントに… 佐々木が文香と同じSMASHに就職すると聞いた時は驚いた。 文香は、デザイナー志望で、佐々木は総合職志望だったから、試験と内定通知がズレていて、本人同士一緒だとは、しばらく気付かなかったらしい。 文香はともかく… 佐々木も微妙に天然なところがあるんだよな 「それと…多分、文香の会社の先輩は、俺の知り合いだから」 「えぇッ!?」 「高校の空手部の先輩で、大学のサークルのOBでもあるんだよ。 今、SMASHのデザイン企画部に所属してるから、デザイナー志望の文香も多分そこに配属でしょ?」 「…はぁ」 「文香の周りに、悪い虫が来ないように、ボディーガードをお願いしてるよ」 「……ハハハ…」 呆気に取られ、渇いた笑いの文香。 俺にしてみれば、文香の天然鈍感ぶりを考えれば、これぐらいしても不安なんだけど? ・
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