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「でも、ただ待ってるだけじゃないよ。文香の会社でも手筈整えているし」
「へ?手筈って…?」
「もちろん、同じ会社に勤めることになった佐々木に文香のこと頼んでるし」
「あぁ!麻子さんが一緒の会社なんて、凄い偶然ですよね!
あたしもとても心強いです」
ホントに…
佐々木が文香と同じSMASHに就職すると聞いた時は驚いた。
文香は、デザイナー志望で、佐々木は総合職志望だったから、試験と内定通知がズレていて、本人同士一緒だとは、しばらく気付かなかったらしい。
文香はともかく…
佐々木も微妙に天然なところがあるんだよな
「それと…多分、文香の会社の先輩は、俺の知り合いだから」
「えぇッ!?」
「高校の空手部の先輩で、大学のサークルのOBでもあるんだよ。
今、SMASHのデザイン企画部に所属してるから、デザイナー志望の文香も多分そこに配属でしょ?」
「…はぁ」
「文香の周りに、悪い虫が来ないように、ボディーガードをお願いしてるよ」
「……ハハハ…」
呆気に取られ、渇いた笑いの文香。
俺にしてみれば、文香の天然鈍感ぶりを考えれば、これぐらいしても不安なんだけど?
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