甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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「ハァー… 相変わらず、用意周到というか… 心配しずきというか…」 「ハァー… 相変わらず、無自覚というか… 鈍感というか…」 「なッ!また無自覚って!! 鈍感じゃないですし!!」 文香の口調を真似て俺が応酬すると、文香は口を尖らせて、そっぽを向いてしまった。 やっぱり、わかってない。 俺の知らない場所へと、文香を送り出さないといけない俺のヤキモキした気持ちを… まだ膨れっ面をしている、鈍感で無自覚な可愛い俺の彼女 文香…わかってる? 文香を失わないために、 俺は必死なんだ 俺の気持ちを受け止めるのは、 文香しかいないんだ 何故なら… 「文香… 俺は…今でも… 文香が好きで好きで、 堪らないんだよ」 文香の薬指の指輪にキスをする。 「将…さ……」 文香はキスをされた薬指を見て、ゆっくりと顔を上げ、潤む目で俺を見つめた。 そして、俺は、今度は文香の唇にキスをする。 文香…わかってる? 俺は、文香無しでは、 もう生きていけないんだよ。 掛け替えのない彼女との甘い甘いキスに酔いしれる。 ・
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