甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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「将さん…お勤めするようになっても、その歯に衣着せぬ毒舌っぷりで、あまり敵を作らないで下さいね?」 「フッ… 未来の妻からのアドバイス?」 「つ、妻ッ!?」 「文香の恩返しが終わったら、正式にプロポーズするから、よろしくね」 「プ、プロポ……ズ……」 文香は何故かカタコトになって、身体がガチガチになった。 「なーに、固まってんの? 今更、俺から逃げられると思ってんの?」 俺は腰が引けた文香を、グイッと自分に引き寄せる。 「……逃げるつもりはありませんけど…」 「けど?」 「あたしの心臓持つのかな? フフッ…あたし…一生… 悪魔のオオカミに、敵わない気がするなぁ…」 文香はそう言うと、優しく柔らかい表情で、幸せそうに微笑んだ。 その笑顔があまりにも綺麗で、つい見惚れてしまった。 ・
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