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「将さん…お勤めするようになっても、その歯に衣着せぬ毒舌っぷりで、あまり敵を作らないで下さいね?」
「フッ…
未来の妻からのアドバイス?」
「つ、妻ッ!?」
「文香の恩返しが終わったら、正式にプロポーズするから、よろしくね」
「プ、プロポ……ズ……」
文香は何故かカタコトになって、身体がガチガチになった。
「なーに、固まってんの?
今更、俺から逃げられると思ってんの?」
俺は腰が引けた文香を、グイッと自分に引き寄せる。
「……逃げるつもりはありませんけど…」
「けど?」
「あたしの心臓持つのかな?
フフッ…あたし…一生…
悪魔のオオカミに、敵わない気がするなぁ…」
文香はそう言うと、優しく柔らかい表情で、幸せそうに微笑んだ。
その笑顔があまりにも綺麗で、つい見惚れてしまった。
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