甘い青春と旅立ち【Ⅲ】

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『一生』 今、そう言ったよね? きっと、文香は意識せずに、その言葉を発したと思うけど… 文香の中でも、俺との未来が描かれていると思っていいよね? 「文香、そろそろ帰ろっか」 「はい!」 俺が手を差し出すと、文香がその手を握り返す。 二度目に会ったあの時、文香は俺に怯えて逃げるように、ここから一人で出て行った。 でも、今では二人手を繋ぎ、ここを後にする。 甘い甘い青春は、ここを去れば、終わりを告げる。 しかし、ここを一歩踏み出せば、俺と文香の未来への新たな旅立ちだ。 文香…俺はこれからも… 甘い愛の言葉を がんじがらめの束縛を 悪魔のような賢さを オオカミのような欲望を すべて、文香に捧げるよ 文香が一生、俺のものになるなら 俺は扉を開け、二人で手を繋いだまま、部室から出た。 そして、自然と二人で微笑み合い、同時に一歩を踏み出した。 さあ、これからだ また、新たな二人の時間を積み重ねて行こう そして、これからも ずっと二人、手を繋いだままで… † end † 2011.12.22 ・
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