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俺は周りを確認する。
俺達が話していた所は、店の玄関先で、パーテーションがあり目立たなかった。
だから、俺達二人が話しているのを、まだ誰も気付いていない。
でも、下手すれば、見つかる。
もうちょっと、誰にも邪魔されたくないな…
ちょっと後ろを見ると、店と隣のビルの隙間がある。
ここなら、人目につかない。
俺は彼女の手を掴んで、そこへ引っ張り込んだ。
驚いた彼女が声を出そうとするのを、咄嗟に手で塞ぐ。
ドクッ!
俺の心臓がまた跳ねる。
華奢な手首と、プニッと俺の手の平に感じる唇の柔らかさ
うわ…何だよ、これ!
何気に彼女の手首と唇に触ったその感触に、俺の胸の奥が擽られる。
俺は動揺を隠しながら、彼女に大きな声を出さないように言うと、彼女は素直に頷いた。
俺は彼女から手を離し、逃げられないように、彼女を挟むように壁に手を着く。
近付くと、またあの甘い香りが鼻を刺激する。
次から次に…何だよ…
そして、彼女が上目遣いで一瞬俺を見て、即座に俯く。
すっごい破壊力
彼女を抱きしめたい
キスしたい
沸き上がる衝動
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