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「崎村さん!
文香、知りませんか?」
店の玄関先を少し過ぎた所で、橋本に尋ねられた。
「ああ…
彼女なら、あそこら辺にいたよ」
俺はさっきまで彼女といた場所を指差す。
「ふーん…崎村さん、文香に何もしてませんよね?」
橋本は目を細めて、訝しいそうに俺を睨む。
「俺は、酔ってる子に手は出さないよ」
「あれ~?文香、そんなに酔ってなかったと思うけど…
酔いが回るようなことがあったりして?」
コイツ…ホントにやな奴だな
「さあ?身に覚えはないけど?」
俺は表情一つ変えずに嘘をつく。
ポーカーフェイスは、ガキの頃から得意だ。
「ま、いいや。
じゃ、あたし、文香と帰ります」
「お疲れ…」
橋本は含み笑いをして、彼女の元へ向かった。
橋本って、俺の女版みたいで、つくづく気持ち悪い…
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