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俺は、二次会の居酒屋に行っても、彼女のことばかり考えていた。
彼女のあどけない表情
色白の肌に赤く染まる頬
ふっくらとした艶やかな唇
細い手首
柔らかい耳たぶ
ふわふわな髪の毛
そして、俺を惑わす甘い香り
彼女の姿に、あの感触に、あの香りに思いを馳せる。
俺はそれを邪魔されたくなくて、二次会で盛り上がる中、一人少し離れて呑んでいた。
すると、そんな俺に気付いて、智紀が話し掛けて来た。やはり彼女のことを尋ねてくる。
「お前、マジ、どしたの?
自分から動くなんて珍しくね?」
「そ?」
長年の付き合いの智紀には、彼女への俺の言動には、さぞ驚いたことだろう。
俺自身、驚いているんだから…
「お前がそんなに女に興味を抱くなんて…アイツ以来だろ?
でも、ふーみんって、お前のタイプじゃないし。
ま、小動物系で可愛い感じだけど、普通っていうか…」
「フッ…そっかな。」
俺は苦笑いをしてごまかす。
普通…か
智紀には彼女はそう映るんだな
よかった…
彼女の魅力をまだ誰も気付いていないかな?
ちょっとだけ安堵する。
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