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昨日の睡眠不足から、瞼が重くなり、うとうとし始めた時だった。
カチャ…
誰かが入って来た気配がする。
だけど、俺はまだ気怠くて、そのまま寝たふりをした。
すると、俺の頭上から、あの甘い香りが漂ってきた。
彼女が来た!
そう確信を持ち、俺の心の中は喜びで満たされる。
でも、俺はまだ寝たふり。
彼女はどうするだろう…
目を閉じたまま、彼女の様子を伺っていると、俺の顔の傍で、彼女の息遣いが聞こえる。
俺の顔を見てる?
「フフッ…」
彼女の小さな笑い声。
そして、彼女の髪がハラリと俺の鼻辺りを掠めた。
「俺の顔は面白い?」
「わッ!」
俺は擽られるような感覚に耐え切れなくなって、とうとう彼女に声を掛けた。
すると、彼女は余程驚いたのか、大きな声を出して、のけ反った。
ホントに、この子は俺を楽しませてくれる。
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