甘い香り【Ⅱ】

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昨日の睡眠不足から、瞼が重くなり、うとうとし始めた時だった。 カチャ… 誰かが入って来た気配がする。 だけど、俺はまだ気怠くて、そのまま寝たふりをした。 すると、俺の頭上から、あの甘い香りが漂ってきた。 彼女が来た! そう確信を持ち、俺の心の中は喜びで満たされる。 でも、俺はまだ寝たふり。 彼女はどうするだろう… 目を閉じたまま、彼女の様子を伺っていると、俺の顔の傍で、彼女の息遣いが聞こえる。 俺の顔を見てる? 「フフッ…」 彼女の小さな笑い声。 そして、彼女の髪がハラリと俺の鼻辺りを掠めた。 「俺の顔は面白い?」 「わッ!」 俺は擽られるような感覚に耐え切れなくなって、とうとう彼女に声を掛けた。 すると、彼女は余程驚いたのか、大きな声を出して、のけ反った。 ホントに、この子は俺を楽しませてくれる。 ・
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