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「遅刻…」
「あ、すみません。
部室の場所がわからなくて、ちょっと迷子になっちゃって…」
「あ、そーか。部室知らなかったよね」
それで遅くなったのか…
「誰にも秘密って言ったから、千夏にも聞けなくて…」
やっぱり、お人よしだな。
律儀に約束守って…
「クスッ…きちんと覚えてたんだね。
あの時、ぼんやりしてたから、大丈夫かな?って思ってたけど」
俺がそう言うと、彼女の顔が一気に赤面した。
「あれ?思い出した?
顔が赤くなったよ」
意地悪言ったつもりは無いのに…
彼女のこの反応を見ると、つい虐めたくなる。
あとどのくらい、彼女と一緒に居られるのかな?
俺は、昨日、彼女の予定も聞かずに約束してしまったことから、ふと時間がどのくらいあるのか気になった。
「ねぇ、学校の授業、大丈夫だった?」
「へ?今日の授業は3コマ目からだから…」
「そっか」
彼女がキョトンとした顔で応えた。
あと1時間くらいはあるかな?
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