甘い香り【Ⅱ】

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「遅刻…」 「あ、すみません。 部室の場所がわからなくて、ちょっと迷子になっちゃって…」 「あ、そーか。部室知らなかったよね」 それで遅くなったのか… 「誰にも秘密って言ったから、千夏にも聞けなくて…」 やっぱり、お人よしだな。 律儀に約束守って… 「クスッ…きちんと覚えてたんだね。 あの時、ぼんやりしてたから、大丈夫かな?って思ってたけど」 俺がそう言うと、彼女の顔が一気に赤面した。 「あれ?思い出した? 顔が赤くなったよ」 意地悪言ったつもりは無いのに… 彼女のこの反応を見ると、つい虐めたくなる。 あとどのくらい、彼女と一緒に居られるのかな? 俺は、昨日、彼女の予定も聞かずに約束してしまったことから、ふと時間がどのくらいあるのか気になった。 「ねぇ、学校の授業、大丈夫だった?」 「へ?今日の授業は3コマ目からだから…」 「そっか」 彼女がキョトンとした顔で応えた。 あと1時間くらいはあるかな? ・
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