甘い香り【Ⅱ】

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彼女は首を振り、抵抗を示したけれど、俺は彼女を思い切り抱き寄せた。 やっぱり小柄だな… 腕を回し、抱き寄せてた腰は、華奢な手首同様に、人より細く感じる。 しかし、痩せ過ぎている訳ではなく身体の感触はとても柔らかい。 そして、俺は彼女のあの甘い香りに包まれた。 ああ…やっと、捕まえた 「逃がさないよ」 俺は、身じろぎする彼女の耳元で、俺の意志を囁いた。 彼女の身体がビクッと反応する。 「は、離してください! 誰か来たら困ります!」 彼女が俺の胸を叩く。 どんだけ抵抗しても、やっと手に入れたものを、簡単に手放すことは出来ない。 「昨日、皆散々飲んだし、だいたい朝から部室に来る奴なんかいないよ」 「……」 俺が彼女を見つめながら、至極当然のことを言うと、彼女は頬を赤らめ、上目遣いでキッと俺を睨む。 潤む瞳で上目遣いって… 「……その顔は逆効果なんだけどなぁ」 俺は本音をポロリと零す。 ・
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