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彼女は首を振り、抵抗を示したけれど、俺は彼女を思い切り抱き寄せた。
やっぱり小柄だな…
腕を回し、抱き寄せてた腰は、華奢な手首同様に、人より細く感じる。
しかし、痩せ過ぎている訳ではなく身体の感触はとても柔らかい。
そして、俺は彼女のあの甘い香りに包まれた。
ああ…やっと、捕まえた
「逃がさないよ」
俺は、身じろぎする彼女の耳元で、俺の意志を囁いた。
彼女の身体がビクッと反応する。
「は、離してください!
誰か来たら困ります!」
彼女が俺の胸を叩く。
どんだけ抵抗しても、やっと手に入れたものを、簡単に手放すことは出来ない。
「昨日、皆散々飲んだし、だいたい朝から部室に来る奴なんかいないよ」
「……」
俺が彼女を見つめながら、至極当然のことを言うと、彼女は頬を赤らめ、上目遣いでキッと俺を睨む。
潤む瞳で上目遣いって…
「……その顔は逆効果なんだけどなぁ」
俺は本音をポロリと零す。
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