甘い香り【Ⅱ】

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今、いろいろ考えても埒外があかないから、俺はとりあえず甘い香りの正体を知りたくて、彼女に尋ねてみる。 「ねぇ…文香って、何か香水とか使ってる?」 「いいえ。私、匂いに敏感で… 香水つけると、自分自身の匂いに酔うからつけれないんです」 「そうなんだ。俺だけ…かなぁ? 文香の匂いがわかるの」 「え?私、何か臭うんですか!?」 彼女は驚いて、自分の腕をクンクンと嗅ぎ出した。 「あはは!違う違う! うーん、何て言ったらいいのかな?文香のフェロモン?」 「フェロモン!?」 「うん。甘い香りがする」 彼女は、まだ自分の匂いを必死で嗅いでいる。その眉間に皺を寄せた表情が面白い。 彼女自身はわかんないのか… 「フフッ…俺、犬みたい?」 「うーん… どちらかというとオオカミ?」 彼女ははにかみ、首を傾げる。 彼女の柔らかい笑顔につられて、自然と俺も笑顔になる。 「なるほど…うまいこと言うな。 目の前の獲物は逃がさないからね 狙われてるの自覚してる? うさぎちゃん?」 「え?」 チュッ! 可愛い彼女の笑顔に、また我慢出来なくなって、つい軽くキスをした。 ・
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