甘い香り【Ⅱ】

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部室の壁にかかる時計を見ると、10時半を差している。 「そーいえば、文香、学校…」 「えッ!?今、何時!?」 彼女は携帯で時間を確認した。 「あたし、3コマ目必修だから、短大に戻ります!」 本当はまだずっと一緒に居たい。 もっと彼女に触れていたいけど… 「そっか…おあずけだな…」 今度はいつ会えるかな… 「じゃあ…」 彼女は会釈をして、ドアへ向かおうと振り返る。 ガシッ! 俺は咄嗟に彼女を後ろから抱きしめた。身体が勝手に動いたのだ。 駄目だ…彼女と離れたくない 「あ、あの… あたし、行かなくちゃ…」 「うん…」 解っているんだ。 だけど、離したくない… 抱きしめた彼女の甘い香りと白い首筋が、また俺を誘惑する。 また、彼女は会ってくれるかな もし、会えたら… 「多分、次は……」 次に会う時、俺はきっと… 「次は…?……アッ!…ヤッ!」 俺の口は欲望のままに、彼女の首筋を這い、耳たぶを甘噛みした。 すると、彼女がカクンと一瞬力が抜けたようになり、慌てて支える。 ・
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