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「はぁー…」
「何だ?今日は溜息ばかりだな」
「ん~?」
学食のテーブルに、手を伸ばして突っ伏していると、智紀が日替わりランチを片手に、呆れ顔で話し掛けて来た。
「まさか…お気に入りのふーみんに、また会いたいとか?」
「…そーだけど?」
シーン…
「えぇ!?マジでか!?」
俺が正直に応えると、一瞬、間を開けて、智紀が大声を出した。
「…何だよ。そのリアクション」
俺は、大袈裟に驚く智紀を目を細めて一瞥する。
「いやいやいや…
マジなの?それって」
「それ?」
「は?違うの?」
「だから、何が?」
「だから、ふーみんに恋しちゃったってことじゃねーの?」
シーン…
「……そっか。なるほど。
これって、そー言うことなんだ」
「はぁ!?」
俺は智紀に指摘され、この持て余す程の文香への気持ちの正体を、やっと自覚した。
こんなに彼女を強く求めるのは、彼女のこと好きってことなんだ…
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