甘い香り【Ⅱ】

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---------- -------- 「はぁー…」 「何だ?今日は溜息ばかりだな」 「ん~?」 学食のテーブルに、手を伸ばして突っ伏していると、智紀が日替わりランチを片手に、呆れ顔で話し掛けて来た。 「まさか…お気に入りのふーみんに、また会いたいとか?」 「…そーだけど?」 シーン… 「えぇ!?マジでか!?」 俺が正直に応えると、一瞬、間を開けて、智紀が大声を出した。 「…何だよ。そのリアクション」 俺は、大袈裟に驚く智紀を目を細めて一瞥する。 「いやいやいや… マジなの?それって」 「それ?」 「は?違うの?」 「だから、何が?」 「だから、ふーみんに恋しちゃったってことじゃねーの?」 シーン… 「……そっか。なるほど。 これって、そー言うことなんだ」 「はぁ!?」 俺は智紀に指摘され、この持て余す程の文香への気持ちの正体を、やっと自覚した。 こんなに彼女を強く求めるのは、彼女のこと好きってことなんだ… ・
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