甘い香り【Ⅱ】

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「フフッ…ちょっとスッキリした。 何で、こんなに文香のことばかり考えるのか解んなくてさ。 そっか。これが惚れるってことか」 俺は頬杖ついて苦笑いした。 「うわ~…爽やかに、とんでもないことを、今更、納得するなよ。 あんだけ今まで彼女がいたことあったのに、初めてそんなこと解るって…」 智紀は呆れた眼差しを俺に向け、日替わりランチの唐揚げを口へ放り込んだ。 「それにしても、お前が恋患いとは…マジでビックリだな。 でも、ま、難攻不落のイケメンの手にかかれば、ふーみんも楽勝だろ?」 「気安く言うなよ… こっちは嫌われたかもって悩んでるのに」 「なーんで? 昨日の今日で、そんな嫌われるようなことしてないだろ?」 智紀は唐揚げを食べる手を止めずに、軽く言い放つ。 俺は、今朝のことを正直に言うか迷ったが… 「……無理矢理キスした」 「ッ!!グホッ…ゲホッゴホッ!!」 「危うく襲いそうになった…」 「ゴホッ!ゲホッゴホッ!…ま、待て!」 俺の告白にビックリしすぎた智紀は、喉に引っ掛かった唐揚げを飲み込むために、コップの水をグビグビ飲んだ。 ・
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