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「フフッ…ちょっとスッキリした。
何で、こんなに文香のことばかり考えるのか解んなくてさ。
そっか。これが惚れるってことか」
俺は頬杖ついて苦笑いした。
「うわ~…爽やかに、とんでもないことを、今更、納得するなよ。
あんだけ今まで彼女がいたことあったのに、初めてそんなこと解るって…」
智紀は呆れた眼差しを俺に向け、日替わりランチの唐揚げを口へ放り込んだ。
「それにしても、お前が恋患いとは…マジでビックリだな。
でも、ま、難攻不落のイケメンの手にかかれば、ふーみんも楽勝だろ?」
「気安く言うなよ…
こっちは嫌われたかもって悩んでるのに」
「なーんで?
昨日の今日で、そんな嫌われるようなことしてないだろ?」
智紀は唐揚げを食べる手を止めずに、軽く言い放つ。
俺は、今朝のことを正直に言うか迷ったが…
「……無理矢理キスした」
「ッ!!グホッ…ゲホッゴホッ!!」
「危うく襲いそうになった…」
「ゴホッ!ゲホッゴホッ!…ま、待て!」
俺の告白にビックリしすぎた智紀は、喉に引っ掛かった唐揚げを飲み込むために、コップの水をグビグビ飲んだ。
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