甘い香り【Ⅱ】

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「う、嘘だろ!?キスって!?襲うって!?いつ!?」 智紀は周りをキョロキョロ見回してから、俺に顔を近付けて小声で叫ぶ。 まだ学食はランチタイムのちょい前だから、人も少なく、俺達の周りには誰もいなかった。 「今朝、部室で会った」 「いつの間に!で、ふーみんは?」 「無理矢理キスして泣いたよ…」 「あちゃー… 何で、そんなに焦ったんだよ」 「解んないよ。 文香といると歯止めが効かくなるっていうか…」 「いつも女には冷静で鉄仮面のお前が?」 「…俺だって、こんなこと初めてで、どうしたらいいか解んないんだよ」 「じゅ、重症じゃんか…」 「はぁー…みたいだね」 俺は両手で顔を隠し、大きな溜息をついた。 頭の中は彼女のことばかりだ。 ・
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