甘い香り【Ⅱ】

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「よっしゃ!俺様が一肌脱ごう!」 「は?」 智紀は自分の胸をドンと叩いた。 また、智紀のお節介の虫が… でも、コイツのお節介は、怖いんだよなぁ… 過去を振り返り、智紀のお節介の勝率が五分五分なのを思い返す。 当たりかハズレか、必ず両極端な結果になるのだ。 程々上手くいくというのが無い。 ハズレると、文香に会えなくなるかもしれないし? ちょっと怖いなぁ… 俺の心配を余所に、ニコニコ顔でやる気満々の智紀。 「まずは、また、ふーみんに会いたいんだよな?」 「まあ…そうだけど…」 「会わないことには、恋愛も進展しねーしな」 「でも、俺の誘いにはもう乗らないかも…」 「だからだ! ……コンパしよう!」 コンパという言葉だけ、智紀は小声でこっそり言った。 「え? コンパって、あの合コンの…?」 「それ以外、何があんだよ?」 「何で合コンすんだよ?ヤダよ」 合コンなんて、まためんどくさい女が寄って来るのがオチだ。 ・
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