甘い香り【Ⅱ】

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「でさ!お前ら、合コンしね?」 「「はぁ!?」」 脇腹を摩りながら、智紀が唐突に言うもんだから、河島も武ちゃんも驚いている。 「あのさ、話が全く見えないんだけど?」 「そうだよ!どういうこと?」 そりゃそうだ… すると、智紀が河島と武ちゃんに手招きし、男三人の顔が近付く。 「実はさ…協力してくんない? 将が意中の子と会う機会を作りたくてさ」 「意中って…」 ブン!と武ちゃんがビックリした顔で、俺を凝視した。 「それって、崎村に好き…フグッ!」 「しーッ!」 智紀と河島が同時に武ちゃんの口を塞ぐ。 「大声出すなよ!もう人が増えてきてるから!」 智紀が焦りぎみで話す。 確かに学食は、さっきよりもどんどんと人数が増している。 俺達がいる所は、学食で奥まった端の一つだけあるテーブル席で、目立ちはしないんだけど… ここは大きい柱が目隠しのようになるから、俺をチラ見する奴らを避けれて、調度いい。 ・
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