甘い香り【Ⅱ】

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「マジで崎村に好きな子ができたわけ?」 武ちゃんは、自分の口を塞いでいる智紀と河島の手を退かして、ヒソヒソと尋ねてくる。 「そ!だから、協力してくれよ!」 「…それって、崎村がその子に直接言い寄ったほうが早いんじゃないの?」 「そーだよ!そーだよ!」 極めて冷静に意見する河島に、武ちゃんも同調する。 男三人が顔寄せて、ヒソヒソ話って、気持ち悪い光景だな… そんなことを思いながら、三人を傍観していたら 「いや、それがさ、将がその子にがっつき過ぎて、彼女が怯えてるかもしんないからさ」 「「えぇ!?」」 ガツッ! 「ヴッ!」 俺は至らんことをまた言ったアホに、もう一度、制裁を加えた。 余計なことをペラペラと! 河島と武ちゃんが、俺をマジマジと見ている。 「チッ!……悪かったな」 俺は舌打ちをして、そっぽを向いた。 ・
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