19385人が本棚に入れています
本棚に追加
「マジで崎村に好きな子ができたわけ?」
武ちゃんは、自分の口を塞いでいる智紀と河島の手を退かして、ヒソヒソと尋ねてくる。
「そ!だから、協力してくれよ!」
「…それって、崎村がその子に直接言い寄ったほうが早いんじゃないの?」
「そーだよ!そーだよ!」
極めて冷静に意見する河島に、武ちゃんも同調する。
男三人が顔寄せて、ヒソヒソ話って、気持ち悪い光景だな…
そんなことを思いながら、三人を傍観していたら
「いや、それがさ、将がその子にがっつき過ぎて、彼女が怯えてるかもしんないからさ」
「「えぇ!?」」
ガツッ!
「ヴッ!」
俺は至らんことをまた言ったアホに、もう一度、制裁を加えた。
余計なことをペラペラと!
河島と武ちゃんが、俺をマジマジと見ている。
「チッ!……悪かったな」
俺は舌打ちをして、そっぽを向いた。
・
最初のコメントを投稿しよう!